技術文書/Oracle/マルチマスタレプリケーションの管理

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マルチマスタレプリケーション で作った環境について、 いくつか管理コマンドを実施してみます。

参考文献†

• Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション・マネージメントAPIリファレンス 10g リリース2（10.2）
• Oracle Databaseアドバンスト・レプリケーション 10gリリース2（10.2）

マスター定義サイトの変更†

マルチマスタレプリケーション環境では、 それぞれのサイトがマスター・サイトです。

マスター・サイトのうち、マスター・グループを定義したサイトをマスター定義サイトと言います。

何かの管理の都合で他のマスター・サイトをマスター定義サイトとしたい場合は、この処理を行います。

• SDB1 : マスター定義サイト
• SDB2 : マスター・サイト

このような状態になっているとき、SDB2 をマスター定義サイトにしてみます。

マスター定義サイトかどうかの確認†

dba_repsites に問い合わせます。master.sql として書きました。

#pre{{

• bash-3.00$ cat master.sql col gname format a20 col dblink format a20

select gname, dblink, masterdef from dba_repsites; }}

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 @master ... GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC Y SCOTT_REPG SDB2.SUGIMURA.CC N

SQL> }}

SDB1.SUGIMURA.CC がマスター定義サイトになっていることがわかります。

マスター定義サイトの変更†

SDB1 で DBMS_REPCAT.RELOCATE_MASTERDEF を実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RELOCATE_MASTERDEF (
     gname => 'scott_repg',
     old_masterdef => 'sdb1.sugimura.cc',
     new_masterdef => 'sdb2.sugimura.cc',
     notify_masters => TRUE,
     include_old_masterdef => TRUE);

END; / }}

移っていることが確認できました。

#pre{{ SQL> @master

GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC N SCOTT_REPG SDB2.SUGIMURA.CC Y

SQL> }}

ここでは元に戻しておきます。SDB2 で実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RELOCATE_MASTERDEF (
     gname => 'scott_repg',
     old_masterdef => 'sdb2.sugimura.cc',
     new_masterdef => 'sdb1.sugimura.cc',
     notify_masters => TRUE,
     include_old_masterdef => TRUE);

END; / }}

マスター・サイトの削除†

マスター定義サイトではない、SDB2 を削除してみます。

レプリケーションの静止とサイトの削除†

remove.sql を書きます。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.SUSPEND_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; /

BEGIN

  DBMS_REPCAT.REMOVE_MASTER_DATABASES (
     gname => 'scott_repg',
     master_list => 'sdb2.sugimura.cc');

END; / }}

SDB1 で実行します。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 @remove }}

消えました。

#pre{{ SQL> @master

GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC Y

SQL> }}

その後しばらくたってから dba_repcatlog を見て、 空であることを確認すれば削除終了です。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 ... SQL> select status, message from dba_repcatlog;

レコードが選択されませんでした。

SQL> }}

なかなか空にならないときは、急かすことも可能です。 下記のプロシージャを何度か実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.DO_DEFERRED_REPCAT_ADMIN (
     gname => 'scott_repg',
     all_sites => TRUE);

END; / }}

これは問題の切り分けが必要ならば、 all_sites を FALSE にしてそれぞれのサイトで呼んでもいいでしょう。

削除がちゃんと終わったらレプリケーションを再開しておかないと、 表への更新ができなくなります。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus scott/tiger ... SQL> insert into dept values (60, 'WORK2', 'TABATA'); insert into dept values (60, 'WORK2', 'TABATA')

             *

  行1でエラーが発生しました。: ORA-23326: オブジェクト・グループ"PUBLIC"."SCOTT_REPG"は静止中です。

SQL> }}

DBMS_REPCAT.RESUME_MASTER_ACTIVITY を呼んで再開します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RESUME_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; / }}

マスター・サイトの追加†

外してみた SDB2 を再度追加してみます。SDB1 で実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.ADD_MASTER_DATABASE (
     gname => 'scott_repg',
     master => 'sdb2.sugimura.cc',
     use_existing_objects => TRUE,
     copy_rows => FALSE,
     propagation_mode => 'ASYNCHRONOUS');

END; / }}

実行すると怒られました。

#pre{{ BEGIN

行1でエラーが発生しました。: ORA-23374: オブジェクト・グループ"PUBLIC"."SCOTT_REPG"はすでに存在しています。 ORA-06512: "SYS.DBMS_SYS_ERROR", 行95 ORA-06512: "SYS.DBMS_REPCAT_MAS", 行2227 ORA-06512: "SYS.DBMS_REPCAT", 行146 ORA-06512: 行2 }}

SDB2 側で dba_repsites を見てみます。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb2 @master ... GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB2.SUGIMURA.CC N SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC Y

SQL> }}

なぜか消えずに残っています。 DBMS_REPCAT.DROP_MASTER_REPGROUP を呼んで、 SDB2 では初めからなかったことにしてみます。 SDB2 で実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.DROP_MASTER_REPGROUP (
     gname => 'scott_repg',
     drop_contents => FALSE,
     all_sites => FALSE);

END; / }}

dba_repsites を確認してみます。

#pre{{ SQL> @master

レコードが選択されませんでした。

SQL> }}

これで再度追加してみました。SDB1 で実行します。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.ADD_MASTER_DATABASE (
     gname => 'scott_repg',
     master => 'sdb2.sugimura.cc',
     use_existing_objects => TRUE,
     copy_rows => FALSE,
     propagation_mode => 'ASYNCHRONOUS');

END; / }}

それぞれで dba_repsites を確認してみます。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 @master ... GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC Y SCOTT_REPG SDB2.SUGIMURA.CC N

SQL> }}

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb2 @master ... GNAME DBLINK MAS

---

SCOTT_REPG SDB2.SUGIMURA.CC N SCOTT_REPG SDB1.SUGIMURA.CC Y

SQL> }}

無事追加できました。

レプリケーションを再開して終了です。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RESUME_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; / }}

レプリケーションの再開†

静止状態にあるので、再開して完了です。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RESUME_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; / }}

レプリケーションの状態†

静止なのか再開されているのかを知るには、 dba_repgroup を見ます。

#pre{{

• bash-3.00$ cat repgroup.sql col gname format a20 col status format a20

select gname, status from dba_repgroup; }}

静止したとき†

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.SUSPEND_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; / }}

NORMAL → QUIESCING → QUIESCED と移るようです。

静止するには何かと時間が掛かるようなので、 両ノードの状態を見ながら気長に待ちましょう。

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 @repgroup ... GNAME STATUS

---

SCOTT_REPG QUIESCED

SQL> }}

あまりにも QUIESCING の状態が長ければ、 DBMS_REPCAT.DO_DEFERRED_REPCAT_ADMIN を実行すれば大丈夫です。 ここでは all_sites => FALSE にして、 それぞれのサイトで実行しました。

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.DO_DEFERRED_REPCAT_ADMIN (
     gname => 'scott_repg',
     all_sites => FALSE);

END; / }}

再開したとき†

#pre{{ BEGIN

  DBMS_REPCAT.RESUME_MASTER_ACTIVITY (
     gname => 'scott_repg');

END; / }}

#pre{{

• bash-3.00$ sqlplus repadmin/repadmin@sdb1 @repgroup ... GNAME STATUS

---

SCOTT_REPG NORMAL

SQL> }}

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